The best measure for predicting success in life may not be your IQ or your sats, but a factor scientists are calling "emotional intelligence"
(人生で成功できるかどうか、本当の意味で聡明な人間かどうかを決めるのは、IQではなくてEQの高さだ)
──“TIME(10/02/1995)”
雑誌TIME

November 25, 2005

聖賢に学ぶEQ力講座第2回「親から子供へのストロークが子供の一生を決定する。」

 人間の能力はどのように形成されるのでしょうか。人はもともと遺伝的特質として親からいろいろな能力や性格的形質を授かっています。中には天才的な能力を発揮する子供も稀に存在しています。

 親は子供が優秀であってほしいと願っていることでしょう。また自分の子供が天才ではないかと思っている親も少なくありません。しかし実際にはまず天才は暁の星の如く本当に少ないのです。しかし人間の能力は生まれもった資質のみが決定するのではありません。むしろ大切なことは子供がどのようなストロークを他者から受けたかということが重要なのです。

 ストロークとは野球のピッチャーがボールを投げる動作やシリンダーのピストン運動などを指しますがここでは人からの働きかけの全体をさします。

 人は赤ちゃんの時から色々なストロークを受けます。よく大人が「べろべろバー!」と赤ちゃんをあやしていますがこれもストロークの一種です。

 子供の脳はいわば海綿体のようなものでなんでも吸収します。その刺激の質と頻度によってその構造が決定していくのです。よく赤ちゃんを育てる時に手のかからない赤ちゃんがいます。そういう赤ちゃんは親にとっては好都合ですが、だからといってほったらかしにしておくと脳が刺激を受けず十分に発達しないのです。

 ストロークには言葉のストロークと体のストロークがあります。その子がわかっていてもわかっていなくてもいつも話し掛けることで脳は見えない刺激を受けています。もう一つのストロークは抱っこしたり頭をなでたりという体のストロークです。子供はよく「だっこ、だっこ」といいます。これは体感を通じて自分自身が愛されているという感覚的気持ち良さを欲しているからです。ですから子供が抱っこをせがんだ時にはできるだけ急がしがらず、抱っこしてあげることが肝要です。

 このストロークが豊富であればあるほど子供の自己尊重感は豊かにそだって行きます。自己尊重感とは一言でいえば「生まれてきてよかった」「自分の存在と喜んでくれる人が確かに存在する」という確信です。これが低い人は、脳の発達が遅くなるのです。

 子供の能力を伸ばすために幼い時から英才教育と施す人も少なくありません。しかし英才教育を施す親は時に、その理想が高すぎるために、かえって子供の自己尊重感を傷つけてしまうことにもなりかねません。そうするとどこかでその成長が止まってしまうのです。

 したがってまず子供に対しては心から子供を受け止めその存在を認めることが大切であります。
 ストロークそのものは働きかけそのものですから本来は良くも悪くもありません。その中でプラスのストロークとマイナスのストロークがあります。プラスのストロークとは一言で言えば相手を誉めたり激励したり感謝の言葉を伝えたりすることなど、相手を高める働きかけすべてをさします。それに対してマイナスのストロークとは相手をけなしたり侮辱したり無視したりすることです。マイナスのストロークをかけられると人間はやる気を失います。人間の能力のスイッチが切れてしまうのです。

 反対にプラスのストロークのシャワーをふんだんにかけると人間はやる気を出し時に奇跡的なことまで成し遂げられる場合もあるのです。


 シドニーオリンピックでは日本人選手も頑張り、素晴らしい成績を残しましたが、なかでも陸上女子マラソンで優勝した高橋尚子さんの活躍は日本中に感動を呼び起こしました。日本人女子では陸上で始めての金メダル獲得です。彼女はこの金メダルが多くの人の手によって齎されたことを感謝の気持ちで語っています。彼女はもちろんすさまじい練習を重ねその努力によってこの快挙を成し遂げました。しかしその陰では彼女を導き成長させてきた小出監督という名白楽の存在があったことは間違いありません。小出監督は毎日高橋選手に向かって「お前は必ず金メダルととれる」と言いつづけてきたといいます。その言葉が彼女の潜在能力を開花させ偉業をなさしめたのです。

 私達は自分自身の子供は愛しています。しかし本当にどれだけその可能性を信じているか、また誉めているかといえばそれは大いに疑問です。

 先日小学校一年生になる私の娘のクラスで道徳の時間がありました。その時先生が「最近お父さん
やお母さんから誉められたことはどんなことですか」という質問をされました。その時一斉に子供達は「えーっ!」と喚声をあげ「おとうさんやおかあさんから誉められたことなんかない」と叫んだというのです。実際にはそれ相応に親も子供を誉めていることでしょう。しかし子供の感覚からすると誉めれているよりも叱られているほうが大きいように感じているのです。人間は叱られたりまた何かに失敗をすることを繰り返すうちに次第に萎縮していくものです。

 皆様はノミの実験というのをご存じでしょうか。ノミは本来すごいジャンプ力をもっています。もしノミが人間ほどの大きさがあったら東京タワーひとッ飛びぐらいのジャンプ力があるのです。そのノミを小さな箱の中に入れてやるとします。当然ノミは飛びあがりますが上の壁に頭を打ち付けて箱からでられません。何度も失敗を繰り返すうちにノミは諦めて手加減をして飛ぶようになります。その後箱の蓋をとります。そうすると本来ならもう思いっきり箱の中から飛びあがっても誰も文句は言われないところです。しかし一度諦めて手加減をして飛ぶことを覚えたノミは二度と箱の中から外へでることはできないという有名な実験があるのです。しかしこれはノミの話ではありません。私達人間のことです。いつも失敗を繰り返したり人からマイナスのストロークを受ける中でいつしか自分自身に壁をつくり限界を作ってしまうのです。

 もちろん親が子供に過度な期待をしデキもしないことを「お前は出来る、お前は出来る」ということを言えばかえって子供にプレッシャーを与えてしまいます。しかし健全な期待をかけ子供の可能性を信じる言葉を伝えることは子供の成長にとっては非常に重要なのです。


 心理学者のE,バーンは交流分析のなかで「人間は12歳までの間に自分の人生脚本を書き上げる」と語っています。つまりドラマにも脚本があるように人生にも脚本があります。それが小学校6年生までぐらいに書き上げられ後の人生はそれに従って作られていくというのです。なるほど「三つ子の魂百までも」という言葉がありますが確かに小さい時に作られた自己概念は後の人生に大きな影響を与えているようです。

 その中でも重要なことは親との関わりです。親が自分の子供を無条件に受け入れることで子供の精神が豊かにはぐくまれるのです。勉強が出来るから子供は可愛いのではありません。その存在が本質的に親に対しても深い喜びを与えているから可愛いのです。もし私達が条件付で子供を可愛いと思えばそれは子供をディスカウントします。ディスカウントはスーパーなどでは歓迎ですが子供に対してはディスカウントは百害あって一利なしです。親は子供を愛しています。しかしついつい自分の子供と他人の子供を無意識で比較してディスカウントしてしまうのです。

 人間のコミュニケーションは言葉のみでなりたっているのではありません。実はコミュニケーションは言葉でない部分すなわちノン・バーバル・コミュニケーション(非言語的コミュニケーション)で伝える部分がコミュニケ‐ションの93%を占めているのです。子供は親の言葉を聞いているのではありません。その表情や態度すべてから自分への愛情の深さを感じているのです。従って口先での誉め言葉やプラスのストロークは子供に見ぬかれてしまいます。しかしそれでも例えそれが親が意識的に行うことであっても子供を誉めることはとても大切なことなのです。どんなに小さなことでもかまいません。子供が何かのお手伝いをしてくれたとき。心から「有難う、有難う」と言うのです。また子供が電車でお年寄りに席を譲った時などその勇気や親切心を誉めるのです。また日常のほんの些細な努力や小さな成長を誉めるのです。その積み重ねが子供の心に大きな可能性の年輪を刻んでいきそれが必ずどこかで花を開かせるのです。理科や数学が100点とれることも大切なことです。しかし実はもっと大切なことが自己尊重感を子供の心に深く刻みこむことなのです。なぜなら人間の人生の成功不成功を決めるのは人生に対する態度すなわち自分が他者から愛されているという感覚、また自分の中には可能性があるという自信、そして夢をもちそれを実現しようという意欲であるからです。その心の豊饒な畑家を耕せるのは親でしかできません。子供を過保護に育ててはひ弱になります。またのびのびと育てるということを履き違えると、きままなわがままな子を育てることにもなりかねません。しかし本当のプラスのストロークをふんだんにかけるとその子は人生の幸福の鍵を手にすることになります。

 どうぞ一日を振り返ってみてください。今日一日の中で子供の何を心から誉めることができたのか。もしプラスのストロークが足りないと思ったら是非意識的に子供を誉めてみてください。子供を心から誉める時子供の顔が輝いていることを発見されることでしょう。

Posted by eqtest at November 25, 2005 03:48 PM
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